[日本でもMX-5 RFでよかったのでは]NDロードスターとRFの違い

既に販売されているソフトトップの1.5L NDロードスター(以下、ロードスター)に加え、北米で発売されている2.0Lモデル「MX-5 RF」の日本版「ロードスターRF」が12月20日から発売されます。

少し出遅れ感はありますが、買うならどっち選べばええねん!ということで、RFの特徴に着目しつつ、比較してみました。

ロードスターRFのエクステリアへのこだわり

ロードスターRFの”RF”とは、Retractable Fastback/リトラクタブル・ファストバックのこと。
ファストバックスタイルとは、ポルシェ911のような、リヤウィンドウとトランクフードの間に明確な段差(折り目、ノッチ)がなく、なだらかに繋がっているスタイルのことを言います。

このクルマは最近の分け方でいくとタルガトップの部類に入ると思うのですが、ファストバックスタイルという位置付けで売り出しています。
※タルガトップとは主に頭上のルーフのみが取り外せるタイプのことで、最近だとHonda S660があります(タルガトップはオープンカーではない、という考え方もあります)。

オープン時のスタイルの良さ、オープンの心地良さ、どちらを取っても基本的にはフルオープンタイプが一番良いです。
「オープンに乗ってる感じ」というのは、車内の空気が完全に外気と共有されていて、車に乗っているけども外にいるのと同じような感覚と、もう一つ重要なのは音、左右だけでなく後方の音も程よく聞こえてくる、そんな状態です。
これが通常、タルガトップになると、サンルーフの延長線上にあるような感じになり、確かに左右と頭上は開いているんだけども風が入ってこないから空気感も外気とは違うし、後方の音は聞こえてこないので、オープンの解放感についてはいまひとつになるわけです。

先代のロードスター達も、このオープンならではの解放感にこだわり、フルオープンを貫いてきました。

オープンカーには、「開けているときは格好いいけど閉めるとダサい」タイプとその反対のタイプがよくあります。例えばコペンRobeなんかは周りの意見を聞いているとどうも前者ぎみのようです。

このロードスターRFはオープン時はもちろん、クローズ時のデザインの美しさにもこだわる事を考えた結果、ファストバックスタイルを選びつつ、オープンの心地よさ≒フルオープンの既成概念を崩し、タルガトップでもリアウィンドウが大きく開く機構にすることで、オープンの心地よさを維持するという方法を選択しています。
ファストバックスタイルをフルオープンにしようと思うと、リアトランクにあたる部分まで格納しないといけないので、格納するパーツも増え難しくなる点と、オープン時でもトランク容量を変わらず確保してきたロードスターの良さが無くなってしまいます。

そういった意味では、ロードスターRFはロードスターの亜種、もしくはオープンカーに対する新しい提案の一つと言えますね。

また、先程はタルガトップの悪い点ばかり挙げましたが、後方から見えづらくなることで、オープンでも後方からはプライバシーが確保されやすいという利点もあります。オープンカーには乗りたいけど目立たずおとなしく乗りたい、という意味では若者よりも齢を重ねた大人向けのクルマとも言えます。

ルーフ開閉動作の美しさ

ロードスターRFの電動ルーフは世界最速の13秒で開閉ができます。というと、すごく動きがせわしないイメージが先行しますが、実際はとても上品な動作をみせてくれます。

YouTubeなどですでに動画も上がっていますが、動作が一定速度ではなく、閉まる直前は動作がゆっくりになって「ウイーン、ガチャッ」ではなく「ウイーン、スッ」みたいな、日本人の美しい所作を思わせるような動作なんです。しかもモーター音もとても静かです。

従来の電動オープンは、ほとんどの場合、まずルーフを格納するフタが開いて、次にルーフが動いて、最後にフタが閉まる、といった具合に動作が1パーツずつしか動かないのですが、このクルマはリアトランクとルーフの動作タイミングが少し被っていて、もたつきのないとてもスムーズな印象を受けます。特にリアトランクの独特の形状と動きが合わさって、非常にメカメカしいというか、SF映画でロボットや戦闘機が変形するような、男の子がワクワクするような格好よさが印象的です。

気になるスペックの違い

  ロードスター 
(S,6MT)
ロードスターRF
(S,6MT)
価格(税込) 約250万円 約324万円
型式 DBA-ND5RC DBA-NDERC
エンジン P5-VP[RS]型
SKYACTIV-G 1.5
(ハイオク)
水冷直列4気筒DOHC16バルブ

PE-VPR[RS]型
SKYACTIV-G 2.0
(ハイオク)
水冷直列4気筒DOHC16バルブ

総排気量[cc] 1496 1997
全長×全幅×全高[mm] 3,915×1.735×1,235  3,915×1,735×1,245
室内寸法
長さ×幅×高さ[mm]
940×1,425×1,055  940×1,425×1,040
ホイールベース[mm] 2,310  2,310
トレッド(前/後)[mm] 1,495/1,505  1,495/1,505
最小回転半径[m] 4.7  4.7
車両重量[kg] 990  1,100
サスペンション (前/後) ダブルウィッシュボーン式/
マルチリンク式
 ダブルウィッシュボーン式/
マルチリンク式
ブレーキ 前/後 ベンチレーテッドディスク
/ベンチレーテッドディスク
 ベンチレーテッドディスク
/ベンチレーテッドディスク
最高出力
[kW(PS)/rpm]
96(131)/7,000  116(158)/6,000
最大トルク
[N・m(kgf・m)/rpm]
150(15.3)/4,800  200(20.4)/4,600
圧縮比 13.0  13.0
燃費[km/L] 17.2  15.6

車両型式はRFで新たに別の型式を取得していますが、オープン機構に関わる部分の形状が異なる以外、特にドアから下についてはおおむね同一のボディ形状をしています。足回りも基本は同じですが、諸元表で見えない細かい部分についてサスペンションや電動パワーステアリングがRF専用にチューニングされているなどの変更点があります。

最高出力・トルクが出る回転数が低いRFのほうが、やや街乗りはしやすい傾向のように見えます。

大きな違いはやはりエンジンの排気量と車両重量、それから価格です。ハードトップと電動オープンの機構周りが増えたことで、車両重量が110kgアップしています。それに対して、エンジンは1.5Lから2.0Lへアップしています。

価格については、3代目の2.0LだったNCが最低グレードで220万だったことを思うと、4代目のND自体がやや高めな印象があります(時代や物価も多少異なりますが)が、RFはさらに75万のアップになりますね。国産車の中でみると高級車一歩手前の価格帯になります。若者が買うにはちょっとしんどいですね。

車両重量のアップがどの程度ネガティブポイントになるかですが、3代目のNCと比較すると近しい排気量・重量バランスになっており、極端に重いというわけではありません。また、パワーウェイトレシオで見ると、NDロードスターが7.56[㎏/PS] 、RFは6.96[㎏/PS]程度となりますので、1.5LのNDと比較した加速感などでは、あまり不足は無いかなと思います(ちなみにNC(ハードトップ)が6.76[㎏/PS]です)。

  排気量[cc] 車両重量[kg]
初代(NA)  1.6L 940-960
1.8L 980-990 
2代目(NB)  1.6L 1000-1030 
1.8L 1030-1050 
3代目(NC) 2.0L 1090-1120
2.0L
(ハードトップ)
1130-1170
4代目(ND)  1.5L  990 
2.0L
(RF、ハードトップ)
 1100

まとめ

従来のイメージに沿っライトウェイトスポーツの王道が欲しいなら、幌であり軽量の1.5Lモデルが無難だと思います。RFは、ライトウェイトの中でもやんちゃに走るクルマから、静かにオープンカーを楽しめるような、上質な走りに舵を切ったモデルであるといえます。価格帯からしても、40代以降の少し落ち着いた大人をターゲットにしているのではないでしょうか。
とはいっても、決してRFが走らない、という訳ではないので、予算があるのであれば、試乗してみてどちらの性格が好きか、で選んでも良いと思います。

個人的には、どちらもロードスターと名付けるから比較して云々言われるのであって、キャラクターはかなり違いがあるので、日本でも「MX-5 RF」の名前のまま発売して、高級車のような扱いでもいいし、あくまでこれは新しいオープンカーのひとつの提案の形であるということを見えやすくしておくべきだったのでは、と思います。
1.5Lを先に購入した人が、2.0Lを後出しでもってくるならそっちを買えばよかった・・・なんてやきもきする心配もないと思います。

 

ちなみに、来年から日本国内でも開催される世界統一仕様レース車によるレースイベント「GLOBAL MX-5 CUP」には、このRFでは出られません。Cusco(キャロッセ)から発売されている専用レース車両『GLOBAL MX-5 CUP仕様車』を購入する必要があります。お値段は788万円!

あとがき

11月20日/21日に、マツダブランドスペース大阪で「ロードスターRF プロトタイプ先行展示イベント」ということで開発者の方のお話を聞ける機会があったので、記事ネタにもなるしということで参加してきたのですが、写真も含めてSNSなどの投稿NGと言われてしまいガックリでした(動画や写真もネットに出回っているのに・・・)。記事もネット上で確認できる情報をソースに書いています。

このイベントは事前予約なしで当日自由に参加できるタイプだったのですが、ドイツクリスマスマーケットの開催期間と被っていたせいなのか、ざっと40-50人はお客さんがいてかなり驚きました。ベビーカー付きだと身動きも取りづらかったので、後ろのほうでおとなしく聞いていました。
先行での試乗・商談予約などをして帰る方もそこそこいらっしゃったので、ご予算がある方は羨ましいなあと思いつつ・・・(遠い目)

でも、実際に目にした電動オープンの動きは本当に美しかったです。街中でも、無駄にルーフを開け閉めして人に見てほしくなるような。
マツダの社長さまもRFの発表イベントで、「車を所有することに憧れた自分たちの世代に格好よく乗ってもらって、子供やお孫さんがいつかこんな車に乗ってみたいと思わせることで、国内の車の需要に貢献できれば」と仰っていたようですが、それだけの魅力はあると思います。問題は、若者がそこに憧れてくれるかどうか・・・!

コメント

  1. メック より:

    こんにちは。
    RFはNDと住み分けできているので、NDユーザーが後悔することは少なそうですね。
    もしNDにRFのエンジンを積んだら、非難轟々でしょうね。
    そういうチューンが流行る・・・ことはないか。
    RFの車重はND比+110kgでしょうか。

    1. おしん@ボサ子 より:

      そうですね。ただ調べないと住み分け出来てるっていうの分かりにくい気がします。
      NDのRSグレードもあるし、ロードスターRFもあるし…名前がややこしいです。
      確かにNDのシャーシに積まれたらショックですね。。始めからやってくれよと^^;
      車重比、そうですね!暗算間違えて記事書いておりました(泣)失礼しました。

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